ひと昔前の話

 私が初めて就職をしたのは、住○生命保険会社だった。東京で一人暮らしの私は、趣味のスキューバーダイビングにかかるお金をお給料から算出する事が出来ず、夜バイトをしようと決めた。決めた時は、少しでもお給料の高い喫茶店や、居酒屋などでバイトをするつもりだった。その頃は、お姉ちゃんがテーブルについて、お酒を注いであげたり、お客さんのお話の相手をしてあげるなどという事は、まったく別の世界の事だった。軽蔑の目で見ていた。そういう世界を全く知らなかったので、求人広告を見ても、普通の洋風居酒屋(バーやクラブ)などと区別がついてすらいなかった。間違って、お姉ちゃんのいるパブの面接を受けた時に、せっかくだから1日働いてみてと言われて、その日は1日働いて帰る事になった。当然その時、はじめは『しまった、どうりで時給がいいと思った。後で帰ってからお断りの電話をしよう。』と思っていた。でも、このバイトをしたからといって自分を見失う事はないだろうと思った。その日は、製薬会社のエー○イさんが、大人数で来ていた。カラオケで歌いまくっていて、その頃、その店のカラオケにリモコンがなく、手でボタンを押して選曲をしていて、その日私は、席に就くというより、カラオケのボタンばかり押していた。別にお客さんのお話の相手をすると言うほどの事もなく、こんなものかとその時思ったのも手伝って、働く事にした。次に行った時に『なんだ一応テーブルについてお話するんだ。』と思ったけど、そんな事はもうどうでも良かった。その頃の私は派手好きだったという事もあって、それから結構楽しんでいた。お付き合いをしている彼もいなかったので、週3日位バイトを入れていた。そのうちの1日は週末の金曜日か土曜日というシフトが多かったので、翌日はゆっくり寝ていられた。バイトで稼いだお金は殆ど全部スキューバーダイビングにつぎ込んだ。会社の年休はすべてスキューバーダイビングをする為に使った。風邪で熱を出して休む時などは普通に休ませて貰い、有給休暇はスキューバーダイビングをする以外の事には全く使わなかった。

眠くなったので続きはまた書きます。